【商業資料感想】だらっとしたポーズカタログ模写をしての感想と個人反省会。

だらっとしたポーズカタログ感想OGP(感想カード) 空閑屋の卓上本棚:【資料感想】だらっとしたポーズカタログ リラックスした自然なポーズを収録(編集・マール社編集部) 模写に挫折しながら懲りずに取り組んでいたスライムが、なんとか一冊分すべて簡易の模写を終えることが出来た。 そんな記念の一冊。

(2018年に別所で投稿したものを再掲したものとなっています。)

※最初に書き手案内※

書き手自身のスペック
 ・絵も描くけど毎日文章書く程度にはがっつり文字書き主軸
 ・模写は何度か行っていたが、毎日実行が続いたのは 最長で 一か月だった。(幸い今回の模写で記録は更新済)
 ・文字書きだけれども完結した六十万字越え長編を文庫本にしたく、表紙絵をかけるようになりたくて必死に今更絵と向き合っている

模写の目的
 ・見て描く、に対してもっている恐怖心を取り除きたい
 ・文章くらいしか毎日続かないので、絵を描くことへの継続心を得たい
 ・基礎値があまりにもないので模写でなにか手に入れたかった
 ・男女を骨格できちんと理解したい

模写投稿先→Tumblr #だらっとしたポーズカタログ

 上記の理由で絵に取り組んでいるので、特別能力があるわけでもなく、色々足りていません。そのへんご容赦でご閲覧のほどお願いいたします。

 * * *

 先日(2018/03/12)、マール社さんの「だらっとしたポーズカタログ」 https://www.maar.com/shop/technique/%e3%81%a0%e3%82%89%e3%81%a3%e3%81%a8%e3%81%97%e3%81%9f%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%82%ab%e3%82%bf%e3%83%ad%e3%82%b0 の模写をようやく一冊終了しました。腕を痛めて休んだ時期と、最初の頃は毎日が難しかった時期はありましたが、最終的には毎日模写する習慣が出来、私には良書だったようです。
 まずは簡易に、なにがよかったのか箇条書きにさせていただきますね。

 ①三名のモデルが、「男性」「女性」「男性装の女性」というタイプ別
 ②背景つきポーズ、シンプルポーズと分かれてあったこと
 ③裸体ではなく衣服着用、露出しても女性は水着、男性はパンツ程度まで

 模写の目的があくまで私の物なので、その点を踏まえて上記のよかった点についてなぜか、を下記で語りたいと思います。

 さて①。これは私が事前に知っていなかったので非常に大きな棚ぼた状態だったのですが、「男性」「女性」「男性装の女性」は、骨格をきちんと把握したいとちょうどごりごり調べて頭をひねっていた私にとって、とても幸いでした。
 表紙にいらっしゃるのが男性、先程貼ったリンクにあります二つ縛りの方が女性、パーカーやワイシャツを着ていらっしゃるストレートヘアの方が男性装の女性となっています。女性については私は線の細い方と思いましたが堂々とされていてぱっと見男性に見えて、でも手や足、額など、骨格が女性であるので、すらりとした好青年じみた女性刑事がいる自分には非常に可能性を感じさせてもらえてとても興奮しましたし、「私はなにを男性、女性とみているのだろう」という自分の感覚について分析することにも大変貴重な資料となりました。また、線の細さや佇まい、所作から、美青年的にも見え、男性でもいわゆる美形にあたる方を描くときに楽しく参考にさせて頂きましたし、なんというかとても貴重なものだったと思います。
 女性についても痩せすぎず、可愛らしく。もう一人の男性は男性らしい、という形で三名の違いが自分にとっては非常に貴重となりました。骨格、所作、それによってどう受け止めるのか、なにがどう違うのか。三名の差異は、「男女を骨格で書き分けたい」と考えていた私にとって本当に有難かったですし、皆さん見ていてストレスのかからない方たちだったので、継続にもちょうどよかったです。

 次に②ですが、これは本当個人的になんですが、継続に助かりました……。毎日ノート一頁ときめていたのですが、最初の時に背景つきポーズ、あとのほうでシンプルポーズとなったのがとてもよかったと振り返って思います。
 背景ポーズはいわゆるシチュエーション的なものです。こういう場所でのこういうポーズ、みたいな少し物語を感じられるような写真があり、見ていて楽しいのと、私自身文字書きとして「物語があるもの」を楽しみやすいため、こういう「意味」を読み取れるものは非常に模写に利用しやすかったです。
 継続の為に一度そのまま模写→模写したものをキャラに描き換えという難儀なことを背景つきポーズではしていたのですが、慣れないので模写に時間がかかるものの一頁の写真量が少ないので進んでいないというモチベーション低下を感じることがなかった点、物語にキャラを当てはめるのはたのしいという点、じっくりみて向き合いやすかった点が背景つきポーズでとてもよかったことです。
 私自身がだんだん毎日かくことに慣れだしてからシンプルポーズがはじまったので、アオリ、フカン、通常のアイレベルでぐるぐると同じポーズをかくという、私自身が苦手と思いそうなことにさほど苦痛なく、「ここまで続けられた」という経験と一緒に挑めたということが非常に幸運だと思いますし、こうやって一冊できたのだなあとしみじみ思っています。
 ただ少し写真が小さくてわかりづらいと感じることもありました。この点、絵を描く人は人体が把握できているからあんまり気にならないかな……? 背景つきは大きいのが多くて見やすかったです。それでもやっぱり続けられたから、ほんと、本さまさまです。

 最後に③です。これは個人的な理由なのですが、私自身、裸体を見ることがあまり得意ではありません。男性女性関係なく、それに性的魅力を感じる感じないも関係なく、ただなんとなく、少しならいいのですがたくさん見るとストレスがかかってしまい、ずいぶんと苦しくなってしまうのです。
 その点こちらのポーズカタログは露出しても最低限の衣服はまとってくださるので、本当ストレスがかかりづらかったです。本格的に骨格とかをみるなら本来裸体がよいだろうとは思うのですが(そういったポーズ本ありますものね)、私はあくまで趣味でやっているので着衣で本当たすかりました。精神的に苦しいとそもそも模写自体が継続したのが一か月だけという三日坊主な人間だったから余計ですね。いつか裸体もやってみたい、とは思っていますが、やはりちょっと不安でもあります。でもやるにしろやらないしろ、今の段階では本当にありがたい、と思いました。
 ただ、少し衣服が厚手だったり、わかり辛くて脱いでほしいとかは感じたりすることはあります。特に二つ縛りの女性の服はひらっとした布が独特で、サンプルをみると分かると思いますが透けているけれども、っていうかんじのものでラインも見えづらいことが多いです。その為ちょっと私には布のかたちが難しかったですが、でもなんというか楽しかったからいいやーみたいな心地ですね。サンプルでみなさんの服装が見られるので、気になる方は確認した方がいいかもしれません。
 でもやっぱ、私みたいな人間には衣装が本当助かりました……拝もう……。

 上記の三点とは別に少し補足をしておきますが、「だらっとしたポーズカタログ」というタイトルや「リラックスした自然なポーズを収録」の副題ではあるものの、どちらかというとシチュエーションなどが定義されているので、だらっと、とは違ったりする印象のポーズもあったりします。ただ、「背筋が伸びて緊張した」というよりは、ある程度力を抜いて、猫背だったり、肩が内側だったり、ポーズとしては重心が少し下に合ったりするようなものが多い、という印象です。特定のポーズがほしい、って人は相性があるかもしれません。元々ポーズカタログなので一冊フルに模写で使う人すくないとも思いますが、私は好き、貴方はどうかな、みたいな感じですね。でもおすすめです、とても楽しかったです。

 とりあえずカタログをメインにした感想は以上かな……。下記では私個人の反省会をメモします。自分頑張ったねのお疲れ様と、なにができたか、できていないかのメモと今後についてです。
 前述の感想と同じく個人の思考言語化以上にはなりえませんが、その点ご容赦下さい。

 * * *

 反省会

良かった点
 ・見て描くことに怯えなくなった
 ・毎日続ける習慣ができた
 ・上記の理由として毎日続けるのに途中から朝起きる時間を早めて仕事前に作業したのがあると思われる。夜だとタイムラインとか見てしまう心の弱さから考えて、このリズムは自分に合っていることがわかった
 ・模写をして「やっぱり硬い線かけない(憧れだったけれど)のでやわらかく行こう」とした線がだいぶ自分に馴染んでいることを知った
 ・まさかの男性装モデルのお蔭で骨格参考と「女を別に隠す気はないが好青年にみえる女刑事が結構無理なく出来る設定っぽい」という自信を持てた
 ・最初に記述した目的は最低限達成した
 ・自分が見えていないことを知れた
 ・線を描くのに描きやすい日、写真を見やすい日があり(そして描けない日見にくい日もあった)、能力向上とは関係なくコンディションで描ける日描けない日があることを知れた
 ・全体をなんとかくかいてから細かくかいていく、をチャレンジするようになった

反省点
 ・あくまで模写っぽいなにかであり、毎日続けるを優先したため模写のクオリティは「続けやすい程度」のまま終えたこと
 ・影などの立体感までは追いかけられなかった
 ・影を追わないならペン入れをするべきだったかも、と思いつつ、継続を重視してやらなかった
 ・細かい点が雑(最初の模写クオリティにも通じるけど)
 ・理想の線は追い切れなかった

その他
 ・わからないときはグラフィック社の「モルフォ人体デッサン」を見るとちょっとはわかるようなわからないようなみたいなところがあったので、モルフォの模写を終えた時にやってみるのもあり

 とりあえずこんなところですかね……。反省点は今のレベルじゃ仕方ない、と私は思っています。絵がかけるひとなら別ですが、私は基礎値が欲しくてはじめた人間なので。まずは課題がクリアできたことを喜びたいと思います。
 本の感想でもいいましたが、私の場合経験して少しずつなれていく形でないと続けられない豆腐メンタルと面倒くさがりがあります。それでも続けられる形、というのは大事です。続けることに意味があるのか、とか、クオリティが無ければ意味が無い、と言いますが、私は意味があったかなと。正直完成度という言葉に怯える程度には本当に絵に対してコンプレックスが多い文字書きには怖い言葉ですが、私の中では頑張っているし、一個ずつできるを見つけていく、階段を一段すら飛ばせない、遠回りでも動き続けるしか無い人間にとって、継続できた、は大きいです。
 ただやはり完成度が無いですし、追いかけると怖いと思っています。ゆっくり向き合いたいです、えいおー。

今後の予定
 ・モルフォ人体デッサン(グラフィック社)の模写を年内に終わらせるか、遅くて来年三月までには終わらせたい(現在70ページまで、遅い)
 ・デジタル背景カタログ通学路・電車・バス編(マール社)の模写を毎日一時間(ノート一ページは無理なため)作業。現在実行中(一枚模写済み、模写した物を自分の中でかきなおし最中)。こちらは実際やってみて思ったが全部は必要ないと思われる。「背景への苦手意識を無くす」を目標に継続すること
 ・デッサンの55の秘訣(マール社)を読み切った後、実際課題をひとつやってみること。苦手意識がごりごり募っているので怯えない程度で。(声は優しいし凄くすきな文章なのだが、いかんせん絵描きで無いコンプレックスがすごい刺激されているので無茶しないように)

 とりあえず上記でこの記事は簡単に終えようと思います。
 ここまで読む人がいるかわかりませんが、文字書きが必死で「表紙をまっとうに描けるようになりたい!!」と叫ぶくらい拘っている小説は
「探偵 山田太郎と記録者 横須賀一の物語」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881976833
ですとお伝えしておきます。意味があるのかわからない宣伝ですが本当大好きな世界を詰め込んだので、練習頑張ります。
 好きで絵は描き続けましたが、文章と違ってやはり向き合い方が違ったので……今更ですがマイペースに、出来る範囲で一個ずつ頑張りたいです。
 私基準では成長しているつもりです。一個ずつ、一個ずつ。人と違ってこつこつやるしかない不器用な人間は、楽しみながらやっていきたいです。

 私の小説を大好きな物語としてパッケージに出来たらいいなぁ。そんな小さな思考メモ、でした。

ざっくり模写一枚目

途中

ラスト

(初出:2018/03/20 再掲:2023/01/15)

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