【メイキング】思考の言語化タイムラプスお試し版(題材「カラスの尾羽」)

《中略:下記、実際と想定がかわったあとの検証をちょっとだけ追加した部分を試しに乗せてみました。
個人的に試行錯誤が見たいなあと思ったので。ただのぐだぐだですね。》

 カラスの尾羽ですが前述の通り起が変わったので改めて起承転結を考え直します。結果かければいんだ。

 いわゆる起承転結の起が、彼らの起承転結の起ではなく、承にあたる形で始まりました。承の中の転でもありますね。
 全体のイメージとして
A想定した起承転結
・起 照信が涼香に惚れて告白。友達付き合いが始まることになり、結果亜樹と光介が出会う(光介にとっては再会)
・承 光介と亜樹の交流
 1 付き合いで無難に交流。光介は基本亜樹の側にいるだけで無言
 2 亜樹の髪が絡んで、平時特に何も言わないのにやけに気にする光介(ミニ転)
 3 喫茶店(転)
 4 喫茶店後の交流。光介の叔父が経営する喫茶店に。
 エピソード案:文化祭、夏祭り、光介と亜樹の親しさへの言及等
・転
・結
がありました。今回実際書いたものはこの順序が異なった始まりです。
 実際の起はAの承2(ミニ転)、及びAの起となった形ですね。元々この髪エピソードも書きながら思い出して差し込んだので、いわゆるなにか入れておこうの承部分が少し埋まった形です。
 ここからどのように話の流れを考えるかというと、一回書いた上での作品の印象と方向性の模索をします。
 はっきりいって、わかっていたこととはいえヒロインにかわいらしさが足りないというか、素直に応援しづらい性格だろうな、と思っています。というか、そもそも応援しようにも本人がなにも望んでいないので。おそらく光介の片恋を示唆しながら主人公であるヒロインの様子を少しずつひもといていく形が望ましいのは変わりないでしょう。光介が主人公だろうが亜樹が主人公だろうが結局応援しやすいのは願いがわかりやすい側なのです仕方ないね。
 とにかく亜樹だけですと彼女の内情がわかりづらく全体的にどうでいいというスタンスなのでストレスが溜まります。また、いくら光介の片恋を応援するとはいえ光介の気持ちをないがしろにするのは人間性がよろしくないでしょう。既に起で危うい感もしますが、一応彼女には「どうでもいいからこそ人を傷つける一手は選ばない」「どうでもいい故の親切はそれでも親切なのだ」みたいな、本心だろうがそうでなかろうが相手にとって好ましいことは好ましいという部分を持たせておくのでそこまでひどくないつもりですが……それでもどうでもいいと切り捨てるのはひどいのでこう、少しでもストレスを減らす構成が大事ですね。
 元々長い話ではない予定ですしそこまで問題ないと思いますが、この光介を主軸にしながら亜樹を語る、光介主人公で出来なかった部分をそれでもぶち込む構成がいいな、と思いました。光介は口数が少ない人間ですが、とにかくわかりやすく。わからないことでもおそらく好意からだろうと伝わりそうなくらいにはがつがつ描写をぶちこみます。起で察してもらえると良いなあ。その関係で友人たちもちょいちょい光介応援してる感じを濃くしています。
 すでに記述してありますがひとつ文字数について掘り起こしましょう。元々、想定の起は五千文字から一万文字、承の序盤エピソードは五千文字くらいかなと考えていました。今回、この二つを合わせて一万二千ならまずまず想定内でしょうか。やはり探偵記録者と違い、描写コストが低いので短くすみますね。
 起点を光介の微妙な不器用さと真面目さ、物静かだけれど亜樹のことで静かに譲らないところを書きました。基本的に話に従うけれど後半で聞かないところを出す予定でしたが、こういうこまめな形で彼の亜樹への思いを出していこうと思います。理由は前述の通りですね。とにかくせめて応援できるタイプのキャラに多少の行動とその行動を承認する物語にしないと話に対してストレスがかかってしまいすぎる……。
 さて、起が承のミニ転からはじまりそこから逆算という形でさらっと出会いを流しました。物語の構成としましてはあくまで起承転結の流れで進みます。文字数的に序破急は合わないと言いますか、単純に私が承の部分大好きなんですね。これを長すぎるといけないので気をつけますけど、物語としては短編じゃないので予定通り承は四つくらいで進もうと思います。承の中でミニ序破急とかは好きですが、ついつい文字数が増えるので全体の物語構成として序破急は使いこなせないところがあるんですよね……。
 承についてですがざっくり四つ、たりなければ六つくらいと前述していました。無いようについては細かく決めてなかった通りですね。今回、起に承が使われたので残りの承が四エピソード。Aの承3とAの承4は必須エピソードです。最初の想定から代わり昔の設定を掘り起こし採用したので、学校も学校外も使える状況。
 Aの承1は起の形から無しといいますか、先ほどから繰り返しているとおり主人公ではない光介の行動とその承認でストレスを減らすのでこれだけで描写するエピソードではなくなりました。元々亜樹と涼香が話したり亜樹が涼香を見守っているのを書きながらなんか気づくといる、くらいの感覚で書こうとしていましたが、ヒロインとヒーローのやりとりがほとんどないしプラスの部分もないので描写は削ります。起で承2をまぜたからいいやというよりはこれを書いて退屈させないのは無理だなと言う客観的判断ですね。こればっかりは私の脳内ですませてしまえばいいのだ……。説明自体は亜樹の印象でこれからも補足する、地味な部分となりました。
 そういうわけで前回と同じく承1と承2が空白ですね。学校が使えるようになりましたし、亜樹と後輩のエピソードを差し込みながら光介との関係を描こうと思ったので、1か2に埋めます。よくある物を運ぶエピソードですね。亜樹の力持ちだとかそういう頼られるところを書きつつお節介を焼く光介です。ついでに窓際の荷物を動かしてもらって承転のフラグをたてよう。くらいにざっくりとイメージします。
 とりあえずイベントの間に関係ないことで埋めたくなるので、手助けはイベントと考えて承2、承1にはもう少しゆるめの内容を起きましょうか。外出エピソードと学校エピソードの起、承2は学校ですのでバランスから承1は外にしたくなる気もしますが、後半のおでかけがありますし全体のバランスが悩みますね。

 という感じで今ごにょごにょしてます。ごにょりーた。もこもこいくよぉ。

(お試し版掲載(初出):2019/06/29 更新:2019/08/16 再掲:2023/01/25)

※後日完結したカラスの尾羽はこちらの作品となっています。(2023/01/25追記)

カラスの尾羽(空代) - カクヨム
静か不器用大柄男子×人当たりは良いが実は雑なのらくら女子のとある日々
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