【同人小説感想】蒼衣さんのおいしい魔法菓子公式アンソロジー みんなのスペシャリテ!感想(さくさく仕立て)

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・表紙(表紙デザイン・高梨來 様/ロゴデザイン・n2co 様)
 とても可愛い。原作の表紙で魔法菓子があるの凄く好きなんですが、その華やかさを大事にしながらキャラクター絵がないことでアンソロジーってわかりやすくなっているし、スプーンとフォーク、レースの中央にあるロゴでお洒落な一皿なイメージとか、素敵なお菓子を一周円にしているから「みんなの」が強調されて感じるアタリとか、可愛らしい色使いとかリボンとかあーかわいーーーーってなります。写真で見てたけど手に取ると大興奮、凄い。素敵。
 ロゴも生クリーム的なお洒落なアクセントだけでなくもう文字全体があの高そうな料理ででてくるソースのあれみたいなやつ(語彙が貧困)ってかんじでこの一皿にまるって似合いますって感じが好きです。ロゴの色選びとか、ちょっといつもより豪華なスペシャリテって感じで好きです。はーかわい、かわいい。大興奮。
 後ろもかわいいよねえ。表紙の綺麗に整いながら賑やかな楽しさが伝わる感じとちょっと違って、裏表紙は作ってる絵をおきながらもどこかお茶会が終わった後の余韻に浸るような、賑やかさに思いを馳せるようなデザインで好きです。かーわいー。

・はじめての魔法菓子(空代)
(そういやこの名前、はやい)
 そんな我に返った心地をもらいました、やっほい。まあこればっかりはね。そういうこともあるさ。
 魔法菓子どころか菓子にもなじみのないような幸薄そうな青年がしあわせだなーってほんわかぱっぱしている話を載せて頂きました。蒼衣さんのおいしい魔法菓子、本当大好きで大好きで!
 何度も言ってるんですけど、あの話の好きな所って特にお話の優しさなんですけど、同時にお話の作りでもあるんですよねえ。知ってる? 知ってるよね、でも話す。
 最初にゲストキャラ視点で話が進んで、そうして救われたゲストキャラに良かったって笑う蒼衣さんが好きなんですよね。不安もあったり、ゲストキャラの悩みに自分の経験を重ねて誠実に言葉を選んだり。そうしながら蒼衣さん自身の問題に少しずつ踏み込んで。でも魔法菓子の華やかさや楽しさ、ふんわかしたものはおろそかにしないで。特にこの、ゲストキャラから蒼衣さんに触れる場所、特に好きで。やるならこれしたいなーーーって思ってたんです。というかもう、読んだ時に「いきたい、いかせたい」って思うようなお店を書くの凄いですよね。めっちゃすき。探偵記録者から横須賀を行かせたよ。横須賀に食育したい。三浦と山田は書いたけど没です。髭面一八〇オーバーとグラサンオールバックスーツは行かなかったんだ。平和。
 蒼衣さんの根本は、作者さんの描く大事な部分で。でも蒼衣さんに触れられないかと言ったらそんなことなくて、触れて、重ねて、思いを馳せることが出来る。そっと優しさに触れられる。強制的な解決ではなく寄り添う時間をくれる。そういうのが大好きだなーを詰め込みました。あれ、自分の話なのに長いですね。いや自分の話だから長く書けるんですよ、ええ。あの世界に少しでもふんわか重ねられたらな、って思ってます。が、がんばったよ……! ほんわかぱっぱ。

・Symphony for Apple Pie(いぐあな 様)
「さまよいジャック」コラボレーション
 冒頭から不思議な語調で、間延びした台詞にそうか~とこっちも間延びしながら首を傾げて言葉を追っかけました。外見が特徴的で、中々不可思議可愛い。あっ、ジャックさん、異形頭好きさんには手招きしときますねカボチャ頭だよかわいー!
 ちょっと話がずれるんですが、私ジャック・オー・ランタンって話が好きなんですよねえ。ジャックってあのジャックかなカボチャだしな! とテンション上がっていたら、中々可愛らしい感じの青年も。服装の描写が凄く好きですね、こういう表現良いなあ!
 感想苦手なのでよく抜粋していっちゃうんですが今回は自重です、困ったやりづらいぞ。中々個性的なジャックさんが青年に言う立場なのが面白いですね。凸凹コンビ、という言葉でついテンションがあがりますがステイ。
 青年は元天使の死神ですって。中々個性に個性を重ねる設定ですが、すごく自然とした語り口調で馴染んでくるので凄いなーってしてました。おもしろぉい。そんな彼らが魔法菓子に触れて、って形でこういう導入からあの店に行くってパターン大好きなのでにこにこ追いかけてましたね。やっほい。
 にしてもジャックさんがいちいちかわいい。非常に可愛い。
 どうでもいいんですがみなさんみんなこんな細かい色んな単語知ってるんですね? 蒼衣さんの魔法菓子ですでに「名前自体が魔法」だったんですが、凄く自然に、この方以外もみなさんふしぎな、単語が……単語も含めて私にとっては魔法じみていて楽しいです。わくわくする。
 あとキーとなるシーンでジャックさんが動いたときすっっっっっごくテンション上がって、「あ、好き、好き、このコンビ絶対好きだわ……」ってなってコラボ元にその後走りました。蛇足ですね。まだ途中……。
 蒼衣さんの反応にぎゅっとなっちゃったんですが、そこから素敵な形にあれよあれよと話が進んで。ああーあったかかわいい。かわいい。大好きな読後感でした。蒼衣さんのお話好きなひとがにこにこするこのやさしいあったかさ。かわいい。

・サンダーレモンを持って(歌峰由子 様)
「巴市の日々」コラボレーション
 冒頭の笑撃。肩の力が抜けちゃうような楽しい賑やかさでくすくすしました。わーいグラサンだぁ。
 現代物でしかも実際のものごとが関わってくると、「ああー生きてる」って実感が強くなりますよねえ。彼らの賑やかさと伝わってくる空気に最初のつかみでぐっと引き寄せられました。個性的な方々だけれど、なんだか当たり前にそこに居そうなつかみってわくわくしますね。
 オカルト関係の方々ですってよ奥さん。などと心の中で誰かに語りかけつつ、サンダーレモンにテンションが上がります。サンダーレモン原案者さんなのは知ってたのですよ!(ふんす)レモンの話で入手経路やその樹自体の話題とか、こう、好奇心をくすぐりつつそういうものってさせるのは楽しいですよね。好き。あと言葉選びがこの方非常に楽しい。センスがあるんだろうな……。ついつい要所要所でくすくすしますね。
 賑やか楽しいお二人とピロートの二人のさっと触れあう感じとお菓子のきらめきが好きです。いいなーたのしいなー。

・イラスト(卯月慧 様)
 えっ何を言えば……絵を見て……(語彙の消滅)
 お菓子モチーフの包装紙であるような可愛らしい背景と一緒に並んだ二人が素敵なんですよ先生。蒼衣さんのさあ、手が綺麗なんですよ。爪の形見た??? かわい、かわ……すごくかわいい……八代さんの元気な手はこっちにむけているのもあるからか爪がおっきくてさー、親指の形がいいんですよ。そんで眼鏡の似合う感じと眉のきりっとした中で格好いい目元。でも笑顔の表情がひとなつっこさで。はー。これはいいおとーさんですよ。すてきなパートナーですよ。あと蒼衣さんと八代さんの髪質の違う感じとか、ほんとよい。すてきです。
 蒼衣さんはホントきれいなお顔で……。穏やかな笑みがそりゃ人気になりますわ、イケメンさんですわってかんじですね。あとこの髪の表情。ゆるっと方に乗るこのちょっとふわっとしたカーブ好きで。いいですよね。すてき。コックコートがにあうぅ。きらきらしたホワイトが楽しい魔法菓子のわくわくすらおもわせて。めっちゃすきです。はーーーー素敵。

・からたち館のおやつどき(雲形ひじき 様)
「二九六銀座」コラボレーション
 え、ちょっとまって単語の要所要所がお洒落すぎるんですけど??? と謎の興奮をかましました。何度も言ってますが珈琲店って大好きなモチーフなんですよねえ。琥珀色の喫茶店とかもう素敵しかないじゃないですかぁ。最高かよ。商店街の名前も素敵だし。お洒落ですね(二度目の確信)。
 敬語で進む地の文からちょっとゆっくりとした時間を感じさせて、この少しモダンな印象の単語選びと非常にあっててテンションが勝手に転がりますねころころころ。お洒落かよ(三度目)。
 小糸さんの言葉選びが大好きな気配なんですよねえ。こういう言葉遣いの子大好きで。かわいい。
 イートインスペースのくだりとかなんかもう当たり前みたいに楽しんでいて、にこにこします。じんじゃえーる、辛口とかあるんですね……なんというかすごいなあとふむふむ頷きながらよんでました。ふわふわシュークリーム大好きなので出るとテンション上がりますねやっほい!
 あと常連さんが出てもテンションが上がりました。にぎやかだぁ。やっぱり地の文章の言葉使いから、ちょっと思いを馳せるようなやわらかさが読後に続いて。愉快なぶち込みもおだやかなやさしい色でまとめて小さく笑みを零すようなところ、好きでした。

・晴れのち魔法菓子、ときどき絵本(杉岡 様)
「古瀬学園シリーズ」コラボレーション
 これツイッターで見かけたときからすっっっっっごく読みたかったんですよね!! 本屋の話ですよそれだけでテンションが上がる!! しかもボリュームたっぷり!!!!!
 正直逐一追いかけていきたいんですが、なが、長い……絶対感想長くなる……(確信)というわけでできるだけ控えます、既に正直ドン引かれてそうですが私は異常に長い、気を遣って縮めて対応しているつもりですがすみません……。
 本屋って好きだけれど詳しくはなくて、だから彼らの仕事の話自体がもう楽しくて仕方なかったです。ちょくちょく出てくる本の紹介に「それ持ってる」「聞いたことある」「しらなぁい」とかしちゃう。しちゃうでしょう??? ちなみにまさかの「そこ!?」みたいなのが出てきたときにはテンション爆あがりしましたし、そして上げられたこと自体には納得で仕方なかったですね。はー。テンションが愉快。
 斑君が可愛いし彼方君が凄く応援したいんですが、個人的になんかもう大好きなのが店長です。本屋の店員っぽい人大好き。しかもちょいちょいやらかしたりしても根本は「良い大人」なんですよもーーー。すき。そういうひとだいすき。
 蒼衣さんのお話でゲスト視点好きなのってやっぱ「その人から見た形はその人の物」みたいな、おなじものでも違って見えたり印象があったり相手のひととなりが本人よりも強く伝わることがあったりなんですけど、その素敵さがたっぷり詰まりつつ、魔法菓子と本の思いがたくさん詰まっててもうーーーーーぜいたくーーーーって感じです。最高にテンションが上がる。絵本の話とか本当、関わる人がみんなその人らしくかんじてしまって、最高にすきだなあって思ってます。どうでもいいけどいいかげんぐりとぐらさん履修した方がいいんでしょうか。うわさはしっている。でも読むなら今回メインの絵本読んでみたいなあ、なんだか泣きたくなるような愛しさがあった……。
 色々大興奮なんですが、「ああ、お菓子ってこう食べるんだ」としみじみ、今更実感した作品でもありました。蒼衣さんの魔法菓子で、お菓子の不可思議さと楽しさ、人の喜ぶ気持ちと触れてきたんですが、この、目で食べ、愛し、浸る。フォークを差し込む心地とかなんというか、私は思い至らない部分でもあるのでそういった描写も読み応えがあります。好き。原作である蒼衣さんのお話見てて本当思うんだけれど、魔法の世界なんだよなあ……でもあれは当たり前にあって、楽しむ人たちのもので、お菓子を少しずつ見慣れたつもりでしたがまだまだ経験値が足りなかったようです。フォークの触れ方、すら、お菓子を食べる行為なのだなあ……。
 ええと、とにかく凄く丁寧にこのイベントを書き切った、というような話で、とにかく贅沢でした。他・多視点大好きだからこの思いが重なって重なって最後に結びついた感じのお話大好きなんですよねえ。コラボ元が、よみ、たい……よませて……。この本屋さんの存在自体も愛しいです。魔法菓子と絵本のコラボ素敵だし、あのお店には本当似合うし、いいなあ。大好きでした。文字の量も凄く私の大好物……もぐもぐごちそうさまでした。愛しい。

・プリンセス・ドゥ・フルールの花咲く午後(高梨來 様)
「ほどけない体温」コラボレーション
 えっお姫様可愛い(真顔)
 もーーーーかわいくって大人がめろめろになっちゃうようなお姫様なお子様!! 可愛いですね!! 大好き!!
 それを見守る優しい青年と八代さん。この子が愛されてそだったんだなあ、素敵な人たちが側に居るんだなあという優しい思考が愛しいですね。愛されている子供大好きです。いいぞぉ。
 大人の会話とお姫様の様子とか、この交錯とお姫様が大切な様子、本当可愛いですし、特別、ってのが楽しくなります。甘くて優しくって、でも甘いだけと言うよりは甘酸っぱさで。とにかくお姫様を満喫しました。
 そのあとは、甘さは賑やかと言うよりしっとりとした感じで。最後のちょっとしたしんみりさとかわいいにっきちょうがきれいでした。

・Family Song(高梨來 様)
「ジェミニとほうき星」コラボレーション
 綺麗な人たちの当たり前の関係と優しさ。気を遣って心を砕く蒼衣さんのらしさと、その背中を押してくれるようなほがらかな八代さんにほっとします。やっぱ此の二人の関係大好き。誇らしげに答える彼女が好きでした。
 題材が題材なのであんまり突っ込んで言うと感想としていいすぎになる気がする……! あんばい難しいですね、当たり前の優しさが彼らにありますように。

・イラスト(n2co 様)
 ついつい絵は「見て……」と語彙が消滅します。ひねりだすぅ……!
 先日も言ったんですが私靴が描ける人に憧れるんですよね。八代さんの足下がドストライクでした。どうも足フェチです。脚じゃなくて足フェチです。
 そんなこといって足下に注目しつつ蒼衣さんのお顔に目が行っちゃうんですけどねえ! おだやかなお顔立ち……美青年……モノクロなのに肌の白さというか美しさが伝わってくる……なんで……。
 こんなん二人並んでたら声かけられちゃいそうですね。お洒落。おしゃれというものと自分は縁が遠いのでただただ「おしゃれ……」とあほみたいにいってるんですが。八代さんなんてさらっとウインクしてーーーーもーーーーかっこいいなーーーーー。
 休日の二人が素敵でにやにやします。ああー、すてき。巻末での回収のされかたにふふっとしました。たまにはこういう格好もいいかもですね、蒼衣さん! でも普段も普段でかわいくていいと思いますふふふ。

・真夏の不思議と魔法菓子(灯宮義流)
 感想なのでネタバレぶっこんでもいいだろうってずっと感想言ってたんですが二つ前の感想と良い、「これは、どこまで……」となったりもしますねちょっと今悩んでます!! 原居さんかわいい!!(万歳)
 ちょっと特殊な事情の彼女ですが賢明に人のためになりたいと願ったり、八代さんと蒼衣さんが誠実な大人だったりすごく好きです(まだ出せる範囲に困ってる)。いやほんと、「こういう大人がかけるひとの話大好きなんだよ好きに決まってるわ……」ってなってました。蒼衣さんと八代さんが元々素敵な方達なので当然なんですが、こう、高校生の視点から見た大人な二人が色濃く見える今回、本当にああーーーすきーーーってしてました。そういうところきちんと思いやれるの好きーーー。
 とにかく八代さんと蒼衣さんが彼女にとって素敵な大人で、彼女自身の素敵さもあって。お菓子の架け橋とかどこか優しさが繋がってるあたりとか好きでした。羽村さんも素敵な方で……不可思議な偶然と素敵なお菓子に愛しくなって溜息をつくようなお話でした。

・ミュージック・マカロン/限りなく透明に近いゼリー(柳田のり子 様)
「翼交わして濡るる夜は」コラボレーション
 あっ凄く好きなショートショート……。ミュージック・マカロン、翼さんと司さんの関係とか凄く好きですね、いいな。ちょっとわくわくしながら、この「お菓子を食べる人たち」が楽しくて。魔法菓子の効果が不可思議だからこそ、色んな人がどんなふうに食べているのかって見られるのいいですよねえ。好きでした。
 限りなく透明に近いゼリー、最初は不思議な方だな、ってのと不器用な関係かわいいって感想だったんですが、コメント部分を読んでもう一度読んで、ああ、と思いを馳せました。不器用な二人の愛しさがやさしくつもりますように。

・著者コメント 作品・サークル紹介

 自分は印刷に耐えられる絵を描ける自信が無かったのでコラムっぽくまとめましたが楽しかったです。小説読む人ばっかりだしまあ絵がなくてもいいかな、というのもありました。絵の覚悟は、いまだに難しい……修行中です。
 人の大好きな魔法菓子読むの凄く楽しいですね! わかるーそれもいいよねーとかひとりでにこにこしていました。
 絵が華やかだったりページ自体が凄く面白いデザインだったり眺めるだけでも楽しかったです。
 わーたのしーってしていたらあれですよ。爆弾ですよ。

・服部匠 様
 どこまで並べて良いのかな? とわからなかったのでタイトルは控えて。賑やかに終わっていくと思ったら、凄く素敵な書き下ろしですよ。寄稿作品をうまく拾い上げて、優しい夢とそこから起き上がる時間。最後に最高の読後感でまとめて「すっごいな!!!!」と浸った後はひたすら興奮していました。この構成凄い、憧れる……。本当一冊にきれいにまとめた、って感じです。個々でWEB再掲などされる方もいらっしゃるアンソロですが、この一冊だからこその特別感。それは書き下ろしがあるから、じゃなくて、とにかく「まとめてこの一冊で楽しめる」という状態を綺麗にパッケージングした終わり方に大興奮です。
 本当彼らが好きだなあ、と実感して、また新しい出会いに興味の広がる本でもありました。

 知らなくても思いっきり楽しめましたし、多分知ってたらもっと楽しい。でも、これは蒼衣さんのおいしい魔法菓子で大好きだった優しさや人の声を楽しみたい人ならとても満喫できるんじゃないかな、とも思います。
 魔法菓子店という場所の特別さと優しい寄り添いのアンソロジーでした。

 ほかほかごきげん、です!

(初出:2019/04/07 再掲:2023/01/23)

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