【同人小説感想】アンソロジー『破戒』Breaking Knox感想

翡睡は涼やかに カレンダー卿

 トップバッターは個人的にあこがれの文字書きさん、カレンダー卿さんです。この方の文章は洗練としており、色彩センスがあふれていてものすごく憧れなんですよね。もうこの方が寄稿するって聞いた瞬間大興奮したくらいです。
 っと、そんな個人的事情は感想として邪魔ですね。しかしこの興奮、タイトルへの興奮に繋がっているからつい言いたくて……あの、本当思うんですけどこのタイトルセンスさすがじゃないですか!? 翡翠を翡睡って、なにそれ美しい。それを涼やかにですよ。最高に格好良くて中身に期待させられてしまうじゃないですか。流石すぎる……って呻きました。もうこの段階で最高。そして本文に至っても、ネーミングセンスが流石で『煙藤』とかもうーーーとなっていました。大興奮ですね。へへ。
 探偵と刑事の関係も王道的といいますか、天才型探偵のイメージを作りながら被害者であるという設定。なんとなく「ああー……」と予感させる空気といい、個人的にミステリーの空気をいっぱい吸ってなおストレスなく読めるの流石かな……します。本当文章が読みやすいんですよこの方……すごいなあ。
 煙藤の人となりを考えるスプレー缶のくだりとか、わくわくが強くてとても好きですね。「本人以外笑っていいか~」のくだりは会話のテンポとそこからのやりとりもすきです。刑事さんのつっこみ含め。猫舌の刑事さん可愛い。
 そして本タワーにふふってなりました。「よく似ている」のやりとりすきですねー。かわいい。論文のシーンの情報が開かれていく感じ、ほらほらっていうわくわく感も最高ですね。そして現場への急行と本人が語るのーーーーーもうこの演出大興奮ですよ。いやだってこれ、ちゃんと自分で自分を追いつめているんですよ……探偵が犯人って私はどうしても許せないタイプなんですけれど、これはちゃんと、探偵であり犯人なんですよ……ちゃんと探偵している……犯人が読者をだます為じゃない、きちんと犯人を探偵が追いつめているんですよ……感動する……もうほんとうこの書き手さん大好きですよ……このアンソロのこの条件だけどうしても私のアウトゾーン、いわゆる地雷に近い部分なので「参加するにしてもこれだけはかけるきがしません、それでもよければ」と言ったテーマをこんな……こんなちゃんと探偵として……感想きちんといえるか心配していたこのパートをこんな……満足感と多幸感と格好良さとミステリーの素敵さでふるえまくりですよ、最高、さいこう……大好き……(読みながら感想呟いているので支離滅裂ですが読んだ後でもどうせ支離滅裂です)。探偵が探偵してる……。漣さんの態度も好き……。
 あとですね、個人的に好きなパートとして「助手が探偵をこなす」があるんです。今作それもカバーされていますね……そう、面会室パートです。これだけで最高なのにまだあるの……泣いちゃう……嬉しくて泣いちゃう……興奮で本気でうるうるしますからね。ああもうさいこうにすきだなほんとう!!
 刈沼が犯人って助手が語るの最高ですよねぇ。表情の言及もうんうんってなりますし、動機が友人と本人しかなかったのこれでかーーーちゃんと意図あったんだーーーってまたテンションがあがりました。演出うまいなーーーーー。刈沼さんの論文での納得がここにきてにっこにこです。助手パートないと「理由はわからないけどまあ計画犯だからそうなのかな……」で納得してたのでぽんこつには助かりますね、大興奮だしこの先生おばかーーー。あんたそれちゃんといえば情状酌量あるかもなのにこのままじゃ死刑じゃん……読み切り故のエンディングではあるけど……多分説明できないなこれ、ぎいいいい。犯人なのに探偵をしてさらに憎めない愛しくなるような探偵って属性もりもりつよすぎません??? さすがすぎる……。
 あとサングラスのくだりでさりげにぶちこまれたのひってなりました。ああそういう、そういう意味……ひねくれかわいい……このやろ……。
 そしてしめかたも最高ですね……ブラボー、ブラボーですよ。犯行動機も結果も美しくて、もう、ああ本当あなたが好きです……。震えるしかない。ほんっと、ほんっと最高だなあこの人のお話!!!!!!! もーーーーーーーーーー大満足です。えっまだつづくの? 読み切って満足で本閉じちゃうよ? 最高過ぎるじゃん。まだ他の方の作品が続くんですよ信じられない……しんっじられない……(かみしめ)

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